
ひらくべき漢字を一覧にしてまとめました。ぜひ文章に活用してください。
※漢字には、ひらがなにして書いたほうが読みやすくなるものがあります。漢字をひらがなに直すことを、漢字を「ひらく」といいます。
ひらく漢字一覧表
※品詞欄は代=代名詞、連体=連体詞、接=接続詞、副=副詞、動=動詞、助=助詞、助動・補用=助動詞・補助用言、形名=形式名詞、形動=形容動詞を表しています。
あ行
【あ】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
敢えて | あえて | 副 | あえて物申します。「カレーはシンプルなほうがいい」と。 |
飽くまで | あくまで | 副 | あくまであなたは「カレーは具材少なめのほうがいい」というのですね。 |
(~して)上げる | (~して)あげる | 助動・補用 | ならば、今回のカレーは具材一品で勝負してあげましょう。 |
彼処 | あそこ | 代 | あそこでお待ちください。 |
彼方 | あちら、あっち | 代 | あちらからカレーが配膳されます。 |
貴方 | あなた | 代 | あなたの注文はシンプルで難しい。 |
余り | あまり | 副 | あまりわたしを困らせないでください。 |
予め | あらかじめ | 副 | あらかじめ用意しておいたメニューは通用しないというのですね。 |
凡ゆる | あらゆる | 連体 | あらゆる常識も通用しない。 |
有り得る | ありうる | 動 | カレーのスペシャリストでも困ることはありうる。 |
或る | ある | 連体 | しかし、ある食材があれば |
(~で)有る | (~で)ある | 助動・補用 | あなたをうならすことも可能である。 |
或いは | あるいは | 接続 | あるいは、まったく新しい体験をさせることもできる。 |
彼れ | あれ | 代 | あれをご覧ください。あれが今回使う、たった一つの食材です。 |
併せて | あわせて | 接 | 「あれをどう調理するのか」という疑問には、あわせて、この調理器具も紹介しておかなければなりませんね。 |
【い】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
(~と)言う | (~と)いう | 助動・補用 | ジョン・レノンの生まれ変わりという人に出会った。 |
如何に | いかに | 副 | いかにその人があやしいかは、言うまでもない。 |
(~して)行く | (~して)いく | 助動・補用 | この人についていくには、強い精神力が必要だ。 |
幾つ | いくつ | 副 | いくつあっても足りないかもしれない。 |
~頂く(戴く) | ~いただく | 助動・補用 | 帰っていただくことにした。 |
一々 | いちいち | 副 | いちいち突っかかってくる。 |
一旦 | いったん | 副 | やはり、いったん帰っていただくことにした。 |
(~して)居る | (~して)いる | 助動・補用 | それでもまだ「おれはジョン・レノンの生まれ変わりだ!」といい続けている。 |
色々 | いろいろ | 副 | いろいろ怖い。 |
所謂 | いわゆる | 連体 | この人にも、いわゆるオノヨーコ的な人が見つかるといいなあ。 |
【う】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
上 | うえ | 形名 | そのうえで、言わせてください。 |
内 | うち | 形名 | 「一生のうちにいくつもチャンスは隠れている」と。 |
【お】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
(~して)置く | (~して)おく | 助動・補用 | とりあえずここで二手に分かれておこう。 |
及び | および | 接 | くれぐれも、そちらからはメールおよび電話はしないでくれ。 |
俺 | おれ | 代 | おれから連絡する。 |
か行
【か】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
却って | かえって | 副 | かえって好きに演奏したほうが、楽しいものだよ。 |
(~し)難い | (~し)がたい | 形動 | そこには、経験しがたいドラマが生まれるはずだ。 |
且つ | かつ | 接 | かつ、きみのプレイに心動かされる人も出てくるだろう。 |
【き】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
君 | きみ | 代 | 「月がきれいですね」といったら、きみはどうするだろうか。 |
【く】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
下さい | ください | 助動・補用 | まずは準備体操から始めてください。 |
位 | くらい | 助 | 「少しくらい…」とバカにしていてはいけません。 |
(~して、やって)来る | (~して、やって)くる | 助動・補用 | 筋肉痛は突然やってくるのです。 |
【こ(ご)】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
此処 | ここ | 代 | ここがぼくの家です。 |
此方 | こちら、こっち | 代 | こちらはぼくの奥さんです。 |
事 | こと | 形名、助 | ささいなことで喧嘩するけれど、仲よくやっています。 |
毎 | ごと | 形名 | 月日が経つごとに、感謝の気持ちも増していきます。 |
如く | ごとく | 助動・補用 | ときには、烈火のごとく怒られますが。 |
此の | この | 連体 | でも、そんなときには、この手紙が二人の仲を取り繕ってくれます。 |
此れ | これ | 代 | これが、夫婦円満の秘訣です。 |
さ行
【さ】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
先程 | さきほど | 副 | さきほどはありがとうございました。 |
流石 | さすが | 副 | さすが「ミスタープレゼンター」です。 |
様々 | さまざま | 形動 | わたしたちの会社もこれから先、まだまださまざまな困難があるでしょう。 |
更に | さらに | 副 | しかし、これからさらに結束を固めて立ち向かっていけそうです。 |
【し(じ)】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
然し | しかし | 接 | しかし、きみの文章はわかりやすいね。 |
然も | しかも | 接 | しかも、感動をよぶ文章でもある。 |
直に | じきに | 副 | じきに、出版社からお声がかかるんじゃないか? |
従って | したがって | 接 | いや、間違いなく連絡がくるだろう。したがって、小ぎれいなスーツとかも用意しておいたほうがいいよ。 |
(~かも)知れない | (~かも)しれない | 助動・補用 | 授賞式なんてのもあるかもしれないからね。 |
【す(ず)】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
(~に)過ぎない | (~に)すぎない | 助動・補用 | それは勝手な妄想にすぎないよ。 |
宛 | ずつ | 助 | ほら、少しずつ晴れているだろう。 |
既に | すでに | 副 | すでに新宿は快晴だそうだ。 |
即ち | すなわち | 接 | すなわち、きみが雨男だという根拠はどこにもない。 |
全て | すべて | 副 | すべてきみの考えすぎさ。 |
【せ(ぜ)】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
折角 | せっかく | 副 | せっかく来てくれたんだ。 |
是非 | ぜひ | 副 | ぜひぼくの「宇宙がもしも、一つの目玉焼きだったなら」展を最後まで楽しんでおくれ。 |
【そ】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
~相だ(です) | ~そうだ(です) | 助動・補用 | 今日は、あちらの彼がハンバーグを食べたいそうだね。 |
其処 | そこ | 代 | そこで、きみには助手を頼みたい。 |
其方 | そちら、そっち | 代 | さっそくだが、そっちにある塩をとってくれないか? |
其の | その | 連体 | その青いふたの容器に入っているから。 |
其れ | それ | 代 | それは砂糖だ。気をつけてくれ。 |
其れとも | それとも | 接 | それとも、甘いハンバーグがお望みか? |
其様 | そんな | 連体 | そんなことは許さないぞ。 |
た行
【た】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
大分 | だいぶ | 副 | だいぶお腹周りもシュッとしてきた。 |
沢山 | たくさん | 副 | たくさん腹筋したからな。 |
但し | ただし | 接 | ただし、油断は禁物だ。 |
立ち所に | たちどころに | 副 | 油断すれば、たちどころにお腹なんてリバウンドだ。 |
度 | たび | 形名 | ダイエットするたびに失敗してきたけれど、今回は絶対に失敗できない。 |
為 | ため | 接 | きみにもう一度思いを伝えるために。 |
誰 | だれ | 代 | だれもぼくをポテチパーティーに誘わないでくれ! |
【つ】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
(~に)付き | (~に)つき | 動 | ひとりにつき、5万円のパンダ見学料をいただいております。 |
【て】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
出来る | できる | 動 | (今ならできるかもしれない…)「ゴムゴムの…!!!」 |
【と(ど)】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
(~の)通り | (~の)とおり | 形名 | 見てのとおり、外は雨模様。 |
時 | とき | 形名 | こんなときは、家にいるのが一番さ。 |
何処 | どこ | 代 | どこにいっても疲れるだけだ。 |
所 | ところ | 形名、助 | ちょうど眠くなってきたところだし、ひと眠りしよう。 |
所が | ところが | 接 | ところが、そんなときに限ってチャイムが鳴るんだよ。宅急便かな。 |
所で | ところで | 接 | ところで、ぼくの印鑑を知らないか? |
何方 | どなた、どちら、どっち | 代 | どっちの箱にしまったんだっけな… |
共に | ともに | 副 | 印鑑とともに、代引き料金もしまったはずだ…今日は部屋の片づけで忙しくなりそうだな… |
な行
【な】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
(~し、~で)無い | (~し、~で)ない | 助動・補用 | 息抜きはしたほうがいい、むしろしないといけないといっても過言ではない。 |
乃至 | ないし | 接 | スポーツないしゲーム、料理、友達と遊ぶ、発散方法はいくらでもある。 |
尚 | なお | 接 | なお、ひとりでやってもいいし、誰かと共有してもいい。 |
乍 | ながら | 助 | 楽しみながらやることが一番だ。 |
何故 | なぜ | 副 | 社会に出ると、ときにはなぜか理不尽に怒られることもある。 |
等 | など | 助 | 傷つけられることなども少なくない。 |
何 | なに | 代 | なにがあっても救ってくれるような、息抜きが必要だ。 |
並びに | ならびに | 接 | 紳士ならびに淑女、子どもから大人まで、誰でも同じことがいえる。 |
(~に)成る | (~に)なる | 助動・補用 | 息抜きは、きっとあなたの糧になる。 |
は行
【は】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
許り | ばかり | 助 | この言い回しばかりは譲れない。 |
甚だ(しい) | はなはだ(しい) | 副(形容) | きみがこの文章にそこまでこだわるのは、はなはだ疑問だよ。 |
【ほ】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
(~の)方 | (~の)ほう | 形名 | さっきの靴のほうがよかったかな… |
他(外) | ほか | 形名 | 思いのほか、サイズが小さい。 |
細々 | ほそぼそ | 副 | ほそぼそとした控えめなデザインは逆に引かれるんだけど。 |
殆ど | ほとんど | 副 | ほとんどサイズは変わらないのにな。 |
本の (わずかのという意) | ほんの | 連体 | 0.5cmという、ほんのわずかな差がこれほどの履き心地の違いを生むなんて。 |
ま行
【ま】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
又 | また | 接 | また、こちらのフリースペースをご利用いただくことも可能です。 |
全く | まったく | 副 | まったく問題ありません。 |
迄 | まで | 助 | 時間まで、ゆっくりしていってください。 |
【み】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
(~して、と)見る | (~して、と)みる | 助動・補用 | まずは人に披露してみることも大切だよ。 |
皆 | みんな(みな) | 代 | みんな最初は初心者だ。 |
【め】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
滅法 | めっぽう | 副 | ネコにすりすりされるとめっぽう弱い。 |
【も】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
若しくは | もしくは | 接 | もしくは、こちらの商品はいかがでしょうか? |
以て | もって | 接 | この商品をもってすれば、肩こりや腰痛とはオサラバです。 |
下、元、基 | もと | 形名 | 腰痛治し名人のヨウ・ツウ監修のもと、この商品は生まれました。 |
元々 | もともと | 副 | もともと、ヨウ・ツウもひどい腰痛に悩まされていたのです。 |
物、者 | もの | 形名 | ガンコものの腰痛や肩こりにお悩みのかたは、こちらの商品をぜひお試しください。 |
や行
【よ】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
良い | よい(いい) | 形容 | いい作品は、人の心を震わせる。 |
~様だ(です) | ~ようだ(です) | 助動・補用 | 彼の作品も、例外ではないようだ。 |
因って | よって | 接 | よって、彼の作品は |
(~と)呼ぶ | (~と)よぶ | 動 | 老若男女問わず、人気をよんでいる。 |
わ行
【わ】
漢字 | 読み | 品詞 | 例文 |
分かる | わかる | 動 | 今わかった気がする。 |
我が | わが | 連体 | 「わが道をゆく」スタイルだったけれど |
訳 | わけ | 形名 | それでは通用しないわけだ。 |
私 | わたし | 代 | わたしを救ってくれる人はたくさんいる。 |
そのほかのひらがなにすべき言葉
ひらくべき漢字以外に、ひらがなにして書いたほうが見やすい言葉があります。
感動詞
ああ |
あら |
いや |
おや |
そら |
まあ |
ありがとう |
ウワーッ |
ハハハ など |
※強調するときなど、場合によってはカタカナを使うのもあり。
漢字本来の意味がずれて使われる言葉
幸せ一杯→幸せいっぱい など |
当て字
御座います→ございます |
地団太→じだんだ |
素破抜く→すっぱぬく |
一寸→ちょっと |
流行り→はやり |
相応しい→ふさわしい |
無茶苦茶、滅茶苦茶→むちゃくちゃ、めちゃくちゃ |
目出度い→めでたい |
腕白→わんぱく など |
擬態語
うっとり |
うとうと |
がっかり |
ガラガラ |
ぎくしゃく |
ぐっすり |
こそこそ |
ごたごた |
さっぱり |
さめざめ |
じたばた |
じめじめ |
ズキズキ |
スース― |
ちぐはぐ |
どぎまぎ |
ニョロニョロ |
ぬくぬく |
のらりくらり |
びくびく |
ふわふわ |
べたべた |
ぺろぺろ など |
ニュアンスを出したいときなどは、カタカナでもよい。
逆に漢字にすべき言葉
逆に漢字にしたほうが、見やすくなる言葉もあります。
実質名詞
住んでいたところ→住んでいた所 など |
ことによっては→事によっては など |
形式名詞が実質的な意味をもって使われる場合、漢字にしても問題ありません。
訓読みする副詞で、漢字を使ったほうが意味が分かりやすい言葉
青々と(あおあおと) |
重ねて(かさねて) |
幸いに(さいわいに) |
奮って(ふるって) |
夢にも(ゆめにも) など |
音読みする副詞
案外(あんがい) |
皆目(かいもく) |
早速(さっそく) |
非常に(ひじょうに) |
無性に(むしょうに) など |
漢字の「ひらく」「とじる」に正解はない
今回、一般社団法人共同通信社が発行する『記者ハンドブック』を参考にしています。
ひらく漢字以外にも、同音異義語の使いわけや、送り仮名のつけ方などを網羅的に記した、広報担当者やWebライターといった文章を書く人に欠かせない一冊です。まだ持っていない人は、ぜひこの機会に手に入れてください。
「絶対にひらがな、あるいは漢字にしなければならない」というルールは存在しません。
自分が表現したいリズムやニュアンス、感情などにしたがって、適切な表現で書きわけていきましょう。
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