『繊細さんの本』なんでも気がつきすぎる人へ

HSP

面白い本が売れています。

その名も『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』。

早くも15万部を突破(2020年時点)する、豊かな人生へのきっかけづくりとなる本書について、紹介してみました。

「周りに機嫌の悪い人がいるだけで緊張してしまう…」
「細かいところまで気になってしまい、作業に時間がかかる」

という人は、ぜひ一度手に取ってみてください。

概要とひと言要約

タイトル 「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本
著者 武田友紀
ページ数 238ページ
初版第1刷発行 2018年8月5日
発行所 株式会社 飛鳥新社

本書オススメ度

3.8
3.8/5

ひと言要約

「何にでもよく気がつくことで疲れてしまう」
「まわりに機嫌が悪い人がいると緊張する…」

そんな「繊細さん」のために、より豊かに生活するためのヒントを、超実践的テクニックとともに解説。

「繊細な人が生きやすくなる」ためのヒントになる本

「周りに機嫌の悪い人がいるだけで、気になってそわそわしてしまう」
「細かいところまで気になってしまい、仕事にかける時間がおそくなる」
などなど…

このように、繊細であるがゆえに、日々の生活にストレスを感じてしまうケースがあります。

一方で、これらの繊細さに対し、言われてきた言葉といえば

「鈍感力が大事」
「気にしすぎだよ」

といった、繊細であることを否定するモノばかりだったのではないでしょうか。

本書では、そんな繊細さを抱える人=「繊細さん」に対し、自分の繊細さを知り、長所として活かすことで、人生を豊かにするきっかけづくりが書かれています。

また、繊細さん以外の人を「非・繊細さん」と呼び、非・繊細さんにおいては、世の中には繊細さんが「いる」ということを認識できる仕組みにもなっています。

著者について

「繊細さん」あるいは「非・繊細さん」といった呼び名や、挿絵などにも著者の優しさを感じる一冊ですが、著者である武田友紀も元々「繊細さん」だったそうです。

その経験を経て、現在は繊細な人向けのカウンセラーとして、600人以上の繊細さんをカウンセリングされています。

繊細な人=「繊細さん」とは

繊細な人、本書では繊細さんと訳されますが、繊細さんとはどのような人を指すのでしょうか。

繊細さんは、アメリカの心理学者であるエレイン・アーロン氏が提唱したHSP(Highly Sensitive Person)という考え方がベースになっています。

HSPは、そのまま「とても敏感な人」と訳されます。HSP関連書籍も多数出版されており、近年日本でも、その考え方は定着し始めました。

HSP(Highly Sensitive Person)

感受性が強く、非常に敏感な人。本書では、親しみを込めて繊細さんと呼ばれています。

以前までは、この「気がつきすぎる」性質は、後天的なものだとされてきました。

「気にしすぎ」
「真面目」

このように、環境や個人の性格によるものだと誤解されてきました。

しかし、アーロン氏の調査によって、この性質は後天的なものではなく先天的なもの、つまり生まれ持って身についている気質であることが分かっています。

そのため、HSPは「鈍感力を発揮すればどうにかなる!」という話でもありません。

また、統計的には実に「5人に1人の割合でHSPである」という調査結果でしたが、裏を返せば80%の人がHSPではない=「非・繊細さん」ということになります。

そのため、社会には、両者が「共存」していることをお互いに・・・・知る必要があるとも作者は伝えています。

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エレイン・アーロン氏による著書『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』には、HSP自己テストも掲載されています。

繊細さんは○○していい

繊細さんには陥りやすい考え方があり、それには根性論などではなく、打破するコツがあると本書では伝えています。

繊細さんは断っていい

なにかお願いごとをされると、繊細さんは「できなくはない」として、引き受けがちになります。

「良い人として思われたい」
「断ったら嫌な思いをさせてしまうかも…」

という感情が強いうえに、「良い人」という殻にこもるのが、繊細さんです。

しかし、良い人の殻にこもると、良い人という表面の殻が好きな人が集まります。その結果、本来の自分とのギャップが生まれてしまうのです。

そのギャップによって

「普通に生活しているだけのはずなのに、家に帰るとドッと疲れてしまう」
「本来の自分の声に気付けなくなる」

といった障害が発生してしまいます。

ここで本書では、お願いごとも断っていい、本来の自分を出すことで、自分に合った人たちが集まりやすくなる、つまり「人間関係の入れ替わり」が起こるとしています。

嫌だという意思を伝えることで、まったく周囲に人がいなくなるわけではありません。

また新しい人たちに出会えるようになるのです。

あるいは、もともと繊細さんの周りにいて、本当の姿にも共感してくれるといった人も出てくるでしょう。

その結果、自分の意思を尊重してくれる存在が残ってくれるのです。

繊細さんは振り回されなくていい

繊細さんは、あらゆることに気を配っています。一方で

「この人配慮が足りないなあ」

と思うことは少なくありません。

たとえば

メール文章の言い回しであったり……
スケジュールの組み方であったり……

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メール文章一つとっても、繊細さんは「この人にはこういう言い回しがいいな」「あの人にはこの時間帯に送るのがベストかも」と予測を立てて送信します。

ここで、繊細さんには最大の罠があると作者は言います。

それは

「相手が”分からない”という感覚が、自分には分からない」

ということです。

繊細さんのコミュニケーションには、発せられる言葉よりも多くの意味が込められています。

繊細さんの判断材料

・相手の声のトーン
・ニュアンス
・天気
・周囲の音
・匂い

など

一方、言葉通りの意味を読み取ってコミュニケーションをとる人も多いです。

むしろ、前述のアーロン氏の実験結果によれば、5人中4人が非・繊細さんなので、言葉通りの意味でやり取りする人のほうが多いです。

そのため、繊細さんの徹底的な配慮によるコミュニケーションのほうが、実はハイレベルなのです。

自分が当たり前に感じるこの配慮の感覚を、相手は分かりません。

逆に、配慮が苦手な人が多いのに対して、「なんで配慮してくれないんだ」と頭ごなしに怒るのは、やや強引といえます。

「配慮する力」にも差はあります。

まずは、感覚の違いを理解することが大事です。

繊細さんは確認していい

人がイライラしているのを敏感に察知して、対処しようとするのも繊細さんの特徴です。

しかし、イライラしていることは分かっても、「なぜイライラしているのか?」を正確に把握していることは、実はあまり多くありません。

人は、負い目があると、その負い目に注目しがちです。

自分が相手の不機嫌の原因ではないかもしれないのに、「自分のせいかも…」と悩むのは疲れます。

それならばいっそのこと確認していい、と本書では言うのです。

とはいえ「怒ってますか?原因は私ですか?」と聞くのも勇気がいります。

特に会社では難しい場合もあるでしょう。

本書ではさらに、自分の予想が当たる確率を確かめる方法を提示しています。

その方法としては、

「それ、おいしい?」

と聞いてみる、だそうです。

まず、その飲み物・食べ物に対して相手がどう思っているかを予想します。

・おいしい、ふつう、まずい
・固い、ふつう、とろける
・特に何も思っていない

そして、あとは相手に確認するだけです。

「そのケーキ美味しい?」
「うーん、○○かな」

これを繰り返すだけで、「自分の予想は意外に外れるもんだな」と実感できるのです。

そうすると、自分の負い目のあるなしにかかわらず、相手の不機嫌の原因が「自分以外のものにある可能性」に目が向くようになります。

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マイルールを決めて、自分に合う環境を構築していく

本書ではほかにも、繊細さんは

「助けなくていい」
「頼っていい」

など、陥りがちな考え方とその対処法を細かく説明してくれています。

マイルールを決めることで、より自分に適した状況を作り出すことが大事です。

そうすることで、同じ心の深さを持つ人を見つけられるので、より自分に近い感覚の人どうしでつながることができるのです。

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【マイルールの例】
僕も、メッセージアプリで連絡を取らない人は連絡先を非表示にするなどのマイルールを設定しています。

そのほか、中田敦彦さんのYouTubeでも本書を紹介していましたが、マイルールの例として、矢沢永吉さんの「写真はNGだが握手はする」などが挙げられていました。

本書でも、もちろんいくつものマイルールが列挙されています。

繊細さんは内面により深く潜れる

最後に本書では、繊細さんには5つの力があると述べています。

・感じる力
・考える力
・味わう力
・良心の力
・直感の力

あらゆることにいち早く気付き、人に優しく心が深い繊細さんだからこそ、物事の内面に深く潜ることができると説いています。

その能力は、繊細さんにしかありません。

繊細であることは、弱者の証ではなく、強みです。

きっと繊細さんがこの本を読めば、自分の「能力」や「本音」に気付くでしょう。

そして最後に、もう一つ重要なことに気付くはずです。

ぜひ、この本を手に取って、より暮らしやすい世界に一歩足を進んでもらえたら
と思います。

「なんでこんなに人と感覚が違うんだろう」
「どうして理解してもらえないんだろう」

そんな風に考えているときは、どうぞ本書をチェックしてみてください。

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