以前書いた記事をそのままにしていませんか?
ライティングスキルが上がるにつれて、表現方法の手札も増えていきます。
また、情報は日々更新され、人が有益だと感じるものも変わります。
簡単にリライトできるのが、ほかにはないWebライティングだけのメリットです。
ユーザーにとってあなたの書いた文章が、より価値を持つために、リライトスキルを磨きましょう。
今回は、今すぐ取り組める9つのリライトテクニックと、時間をかけて取り組みたい2つのテクニックを紹介していきます。
リライトするメリットも詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
今すぐ取り組める9つのリライトテクニック
今すぐにでも見直してチェックできる項目を9つ並べてみました。
①「情報量はそのまま」で、不要な文章を削除する
文章は、短ければいいものではありません。
一定の情報量を組み込むと、自然と適切な長さになります。
一方で、慣れていないと冗長な表現をしたり、簡単な言葉をわざと難しく言い換えたりしがちです。
<例文(167文字)>
ライターが意識すべき「SEO」とは「検索エンジン最適化」の略称で、ユーザーが求める理想的な検索エンジン像を実現していくことです。具体的には、ほかのサイトにはない専門性があり、また、情報を細部まで記載している網羅性、そして確かな情報を発信している信頼性をもった、ユーザーの疑問に対する答えになるようなコンテンツを発信していくことを指します。
上の例文に、間違った部分はありません。
しかし、一読してすぐには内容を理解できないような、ややこしさを感じます。
なぜなら、無駄な言葉が多いからです。
例文を添削して、よりスマートにしてみましょう。
<改善例(110文字)>
ライターが意識すべき「SEO(=検索エンジン最適化)」とは、ユーザーが求める検索エンジン像の実現を指します。具体的には、ユーザーの「なぜ?」に答えるような「専門性・網羅性・信頼性」のあるコンテンツを発信していくことです。
文字数も少なくなり、全体的にスッキリした印象を覚えます。
もちろんこれだけでは不十分なので、あとにより詳しい解説を加えていきます。
大切なのは、「情報量をそのままにして、細かく切り分ける」ことです。
細かく切り分けることで、無駄な部分や意味が重複している表現、あるいは過多な説明が見えてきます。
②指示語を使いすぎない
今やスマホから情報を取り入れるユーザーは、8割近くにのぼるとされています。
事実、当サイトの流入も、スマホからのユーザーは7割以上にのぼっているのが現状です。
(2020年7月8日時点での、過去28日間の割合。Googleアナリティクスより)

スマホを使うユーザーは、基本的に流し読みで情報を収集しているといわれています。
なぜなら、スマホは操作性に優れているからです。
その操作性がゆえに、縦に素早くスクロールできてしまうため、必要な情報だけを部分的に確認する人も多くなっています。
指示語が多いと、読み飛ばしたときに「どの部分を指しているのか分からない」といったことが起こり、記事の内容が伝わりづらくなります。
そのため、できるだけ指示語を減らして、記事の価値を損なわないようにしましょう。
ただし、不自然に減らすとかえって冗長になってしまいます。
リズムを意識して、適切に減らすことが大切です。
③改行を上手に入れる
改行があると文章にリズムが生まれます。例を見てみましょう。
<改行なしの例文>
改行を意識することで、読みやすさが180°変わります。文章にリズムが生まれるためです。また、スマホで流し読みするユーザーが多いので、改行なしの1ブロックの文章を読み飛ばされると致命的です。内容がほとんど伝わらなくなるリスクも生じます。構成を細かく分類して、ユーザーにやさしい文章を作りましょう。
<改行ありの例文>
改行を意識することで、読みやすさが180°変わります。
文章にリズムが生まれるためです。
また、スマホで流し読みするユーザーが多いので、改行なしの1ブロックの文章を読み飛ばされると致命的です。
内容がほとんど伝わらなくなるリスクも生じます。
構成を細かく分類して、ユーザーにやさしい文章を作りましょう。
改行はいわば「休憩」です。
休憩がない文章は読んでいて疲れます。
場合によっては、句点ごとに改行したほうが読みやすいこともあります。
特に、スマホで読む人が多い中では、改行をより意識して文章を作るとよいでしょう。
④漢字をひらく
漢字には、あえてひらがなにしたほうが読みやすくなるものがあります。
漢字をあえてひらがなにすることを、編集の現場で「漢字をひらく」といいます。
漢字とひらがな(あるいはカタカナ)のバランスを考えて、両者多すぎず少なすぎず、文章を構成しましょう。
ひらくことの多い漢字は以下の通り(※一部です)
言う | いう |
出来る | できる |
頂く | いただく |
全て | すべて |
但し | ただし |
他 | ほか |
良い | よい |
全く | まったく |
様な | ような |
既に | すでに |
ただし、場合によっては「とじる」ことがマナーな場合もあります。
たとえば
- 補助動詞の場合はひらく
→映画を見てください - 動詞の場合はとじる
→100万円を僕に下さい
あるいは
- 形式名詞の場合はひらく
→ギターを弾く「こと」ができる。
※形式名詞=単体では意味をもたない名詞 - 実質名詞の場合はとじる
→「事」の重大さにいまさら気づいた。
※実質名詞=単体で実質的な意味をもつ名詞
といったケースです。
とじるかひらくかは、そのときどきで決まります。
サイトの雰囲気によってルールを設定しておくとよいでしょう。
⑤箇条書きで要点をまとめる
並列表現(○○や××、または△△や▲▲)を多用している場合や、要素が多い場合には箇条書きでまとめると分かりやすいです。
この記事自体も、目次を箇条書きにして要点をまとめています。
⑥主語と述語はできるだけ距離をあけない
主語と述語の間に言葉が入れば入るほど、文章は分かりづらくなります。
できるだけ主語と述語は近づけましょう。
<主語と述語が遠い例>
安藤は、多くの人に分かりやすい文章を書いてもらうために「効果的なリライト方法」をまとめた。
<主語と述語が近い例>
多くの人に分かりやすい文章を書いてもらうために、安藤は「効果的なリライト方法」をまとめた。
主語と述語が近いほうが、誰が(何が)どうしている(どうなっている)かが明確になります。
状況描写がパッと思いつくので、より頭に入りやすい文章になります。
⑦読点は適切な分だけ入れる
読点に関しては、ツイートした通り。
文章を見直すときには、書いた文章を読み上げてみるのがおすすめです。
— 安藤遼佑 (@RyosukeANDo) June 25, 2020
特に、読点の位置は息継ぎの場所といわれます。読み上げてみて、息継ぎしたい場所に読点を入れると、一気に読みやすくなることもあります。
そのほか、追加したい文字や削減したい部分も見えてくるので、ぜひお試しください。
読点は多すぎても少なすぎても、不完全な印象を与えてしまいます。
- 主語が長い場合の主語の後ろ
- ある言葉を明確にしたいとき
などを参考に、適切な位置に読点を打ちましょう。
⑧同じ文末表現を繰り返さない
同じ文末表現は、3回以上繰り返さないのがマナーとされています。
同じ文末が続くと、稚拙で機械的な印象を与えてしまいます。続いている場合は、言い回しを変えましょう。
<同じ文末表現が続く例>
コンテンツを多くの人に見てもらう方法は、SEO以外にもたくさんあります。たとえば、広告を出したり、SNSを活用したりする手法が挙げられます。いずれも有効活用するためには、マーケティング知識や、ときにはマネジメント力も必要になります。
<改善例>
コンテンツを多くの人に見てもらうには、SEO以外の手法も考慮しましょう。たとえば、広告を出したり、SNSを活用したりすることが挙げられます。これらを有効活用するためには、マーケティング知識やマネジメント力が必要です。
⑨推敲する
推敲(すいこう)とは、文章を何度も作り直して、よりよくすることです。
上記に挙げたテクニックに気をつけてリライトしても、どこかで漏れが生じます。
何度も読み返し
日を改めて読み返し
声に出して読み返し……
そうすることで、コンテンツは少しずつよくなっていきます。
リライトするときは、推敲することを心がけましょう。
中でも「文賢」は、1,000以上の企業や個人が導入する有名なアドバイスツールです。ぜひ一度文賢を試してみてください。
(制作した株式会社ウェブライダーは「沈黙のWebマーケティング」「沈黙のWebライティング」を出版しています。ライターなら、一度は聞いたことがある2冊ではないでしょうか)

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時間をかけて取り組みたい2つのリライトテクニック
すぐに取り組むのは難しいですが、時間をかけてでも取り入れていきたいテクニックを2つ紹介していきます。
①論理的に構成する
論理的な文章とは、基本的に3つの要素から成り立っています。
- 結論「○○は××である」
- 理由「なぜなら△△だから」
- 根拠「これは、▲▲という実績からも分かる、明確な事実である」
この構成を維持することで、ユーザーに「なぜそうなのか?」と興味づけすることができます。
興味が深い状態であれば、ユーザーにより長い時間文章を読んでもらいやすくなります。
より長い時間読んでもらえるということは、より愛される文章であるということです。
基本的に人気コンテンツは論理的な構造で成り立っています。
世に愛される構成を知って、より多くの人の目に留まる文章を作成しましょう。
②感情表現を入れる
人は、論理に納得したら、最終的に感情で動くといわれています。
自分の感情を入れる、あるいは相手の気持ちを代弁することで、相手を動かしたり共感してもらえたりします。
「」(かっこ)を効果的に使って、論理的だけでなく感情を揺さぶる文章を作成しましょう。
<例文>
SEOに関して、このような悩みを抱えていませんか?
「検索ボリュームを調べて書いているのに、なかなか検索順位が上がらない」
「新しい施策を打ちたいけど、コストもかかるしなかなか手が出せない」
このような人にぜひ活用してほしいのが、今回紹介する「○○」です。
リライトすると2つの効果を得られる
リライトには大きく分けて2つの効果があります。
読みやすくなる
1つ目は、読みやすさが向上するという点です。
読みやすさが上がれば、ボリュームのある文章でも読んでもらいやすくなります。
情報量が多ければ多いほど、多くの人の悩みに訴求することができます。
結果的に読みやすさが人々の「共感」に直結し、より多くの人に拡散される可能性が上がるでしょう。
SEOにも有効
論理的にリライトするということは、理由や根拠をより深堀りするということでもあります。
より詳しく書くことで、記事テーマの「共起語」が多く含まれるようになります。
共起語が多く含まれるほど、ユーザーの疑問を解決してくれる記事としてSEOに効果的です。
(※共起語=一つのテーマに対して自然的に連想・登場する言葉)
テーマに沿った共起語を調査して、意図的に組み込むなどのテクニックがありますが、まずは「テーマを深堀りする」ということだけを念頭にリライトすれば、おのずとSEOに強い記事が完成するでしょう。
リライトのテクニックは、文章を書き始めるときにも使える
あくまでリライトは修正であって、しなくて済むならしないほうが楽です。
今回紹介した方法は、文章を最初に書くときにも使えるものばかりです。
ぜひ、最初から実践して、できるだけリライトせずに済むように執筆していきましょう。