『読みたいことを、書けばいい』にテキトーさと衝動を学ぶ

yomitaikoto

笑えるほど適当なのに、今読まなければ後悔すると思ってしまう

2020年以降に読んだ本の個人的感想を、ライター目線で書くだけ書いてみるコーナー。

今回は、「青年失業家」こと田中泰延氏による著書『読みたいことを、書けばいい。』についてです。

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概要とひと言要約

タイトル読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術
著者田中泰延
ページ数271ページ
初版第1刷発行2019年6月12日
発行所ダイヤモンド社

本書オススメ度

3.5
3.5/5

ひと言要約

24年間電通に勤めた筆者が、「自分が読みたいものを書く」ことで実際に「現実が変わる」ことを、5W1Hの原則に基づいて基本から伝える本。

「あなたはゴリラですか」

クセが強い。

読み終えてみると、すっきりさわやか、よし頑張るぞ!とはならないのが、この本の特徴ではないでしょうか。

暴走気味なのは、冒頭からすでに始まっています。

「あなたはゴリラですか」

で始まる本書は、当然実用書ではありません。

「なんのために、なにを、だれに、どう、なぜ、いつどこで書くのか」、5W1Hの原則に基づいて、「書くとは?」を今一度問いかける、啓発的な内容になっています。

自分の中の衝動を消してしまいそうになったときに

啓発「的」としたのは、本書が『会社を3カ月でやめたボクが、月収100万円を稼げるようになるまでのたったの7step』系にみられる、違う意味で暴走している本と同じ立ち位置にはなく、かといってお世辞にも『How to art writing』系タイトルのような、ロジカルでアーティスティックでスマートな本のような、おしゃれな立ち位置にもないためです。

本書の魅力は、このタイミングで読んでよかった」と思えることかと思います。

この本を読んでから、当メディアにて、2020年以降に読んだ本や映画の紹介を始めました。
自分が面白い・心震えたカルチャーについて思うままに書く、それが何より「楽しい」。自分にとって楽しいことを書いているのだから、楽しいのは当然です。

しかし、この本質的な「書く」行為の魅力の部分に、ときに自信を無くしてしまいがちです。そういうときは決まって、書く相手が「自分」ではありません。見知らぬ誰かが相手になっています。その誰かが感動する文章を狙うあまり、書きたいことに自信をなくしてしまい、何を書けばいいのかわからなくなってしまう。

これは、何も書くだけに当てはまることではありません。「○○したい」衝動を、ほかの誰かを思いすぎて、抑え込んでしまう。この深みにはまってしまう人も、多いのではないでしょうか。

『読みたいことを、書けばいい。』はそのタイトルどおり、その衝動は「自分」のためにこそある、と現在の自分の感情を肯定してくれる一冊です。

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フォントへの尋常ではないこだわり

要所要所でうっかり実用的なことも綴られています。

株式会社電通に24年間勤めた筆者が伝える、広告の観点で見た、人を惹きつける文章。一次資料の正確な調べ方。書くために読むべき、筆者がこれまで読んだ本。中には、エントリーシートの書き方なんていうものもあります。

極力最短の文章で構成され、行間もフォントも考慮されているため、非常にすらすら読めてしまうのも魅力の一つです。

(本書のフォントへのこだわりは特異らしく、使用されているフォントについて徹底的に調べ上げているデザイナーの方もいます(ここまで調べ上げた伊藤氏もすごい)伊藤太一氏によるnote-『本のフォントが気になったので、徹底的に調べてみたら、意外な事実が判明した』)

読んで自分の感情を整理する本

啓発的でありつつも、実用的でもある。かつ、極力文章を少なくしていると筆者も記しているので、誰でも読みやすい文章です。最初から最後までわんこそばのようにクセの強い笑いがちりばめられていて、正直胃もたれもしますが(笑)

その点も加味しての3.5です。とはいえ、そこも含めて、衝動で読み切る一冊かと思います。書くことのみならず、自分の衝動に立ち止まりそうな人は、ぜひ読んでみてください。